
どうして自分はいつも衝動的に行動してしまうのか?
直感で判断し後になって「あー、なんであんなこと簡単に決めちゃったんだろう」って後悔することよくありますよね。
もう同じ過ちを二度と繰り返さないためのヒントが『ファストスロー(あなたの意思はどのように決まるのか)』に書かれています。副題にドキッとしませんか?
本書は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンさんの代表作です。
この記事では
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- 脳の中に存在するシステム1とシステム2の役割
- 優秀だがクセのシステム1の特徴
- システム1の理解しどうすれば良い選択をしていけるのか
についてお伝えしています。「もう二度と同じ失敗はしたくない!」という方はぜひ読んでください。人生の変わる1冊になります!
Contents
著者ダニエル・カーネマンの考案した
認知心理学者でありながら、豊富な知識を経済学へ応用し2002年に『プロスペクト理論』を発表しノーベル経済学賞を受賞。
プロスペクト理論とは、人は利益より損失回避をする傾向が強いという理論です。
『プロスペクト理論』の例
問題1:確実に900ドルもらえる。または、90%の確立で1,000ドルもらえる
問題2:確実に900ドル失う。または、90%の確立で1,000ドル失う。
問題1ではリスク回避し確実に900ドルをもらうことを選択。しかし、問題2ではギャンブルに出る。(P93より引用)
このような人間の不合理な行動を解明。
脳にある2つの優秀なシステム
本書では私たちの頭の中にある脳をシステム1とシステム2という2つの概念に分けて説明されています。
それぞれの特徴は以下の通りです。
システム名 | 特徴 |
---|---|
システム1 | 直感的で常に周りを監視するしっかり者 |
システム2 | 論理的で優秀だが怠け者 |
システム1は、目に見えるものや聞こえるものなど常に監視を続け情報を集め瞬間的な判断を行っています。
例えば、「なんかこの人怪しいな」とか「今席外してた間に自分の話題をしていたな」とか直感で感じ取ることなどに非常に優れています。そして、大体が当たっています。
システム2は、論理的な判断を行います。
システム1が「ちょっとこれ分からない」「注意して計算してほしい」などの依頼があったものを慎重に計算し決断をします。24×18など頭でパッと出てこない問題などで処理を行います。
システム1私たちの意思は操作されていた
システム1は、非常にしっかり者で大体の判断に間違いはないもののクセがあります。
私たちが今まで衝動的に行動してきたことも全部が間違いだったということではないですよね?
しかし、誤った判断をしてしまったときには、システム1の仕組みを熟知している人たちに意図的に私たちの判断が操作されていたんです。
システム1のクセを知って活かす
フレーミング効果
フレーミング効果は、同じ意味を表す言葉であるが逆の選択をしてしまう現象のことをいいます。
同じ情報も提示の仕方が異なると判断が変わってしまう。
- 手術1か月後の生存率は90%
- 手術1か月後の死亡率は10%
『生存率90%』という方が同じことを言っているにもかかわらず心強く感じる(P160より引用)
見たまま信じてしまうシステム1のクセの1つになります。
ヒューリスティック
経験則や先入観から答えを導く思考法です。
①あなたは最近どのくらいしあわせですか?
②あなたは先月何回デートしましたか?
と
①あなたは先月何回デートしましたか?
②あなたは最近どのくらいしあわせですか?
(P183~P184より引用)
では、同じことを聞いているにも関わらず、質問の順番を変えるだけでデートの回数としあわせの相関関係が前者では低く後者では高い相関性を示したと書かれています。
「しあわせですか?」と急に聞かれてもピンとこないものの、デートの回数を聞かれたあとで「しあわせですか?」と聞かれればデートの回数が多い少ないで判断できます。
そのため、システム1はパッと答えを出してしまうということです。
まとめ
感情やバイアス(思い込み)、ヒューリスティック(直感)に振り回されず『システム2』を鍛えセルフコントロールをできる人間に生まれ変わることです。
重要な判断をするときには「ちょっと待て!今はシステム1による衝動的な判断になっている」と冷静な視点を生んでくれた人生をも変えてくれる1冊になりました。
本書でシステム1のクセをよく理解し今後の人生に役立て欲しいです。ぜひ読んでみてください。