
「うまく揉めずに円満に少年団を辞められる方法ってあるの?」
「コーチに言い出しづらい。何と言えば快諾をしてくれるの?」
街のサッカー少年団を辞めるとき、色々な不安や悩みが出てきますよね。
私は親でもありボランティアコーチ(ヘッドコーチをサポートする立場)でもあるので、これらで悩んでいる保護者の方々から何度も相談を受けてきました。
円満に少年団を移籍する唯一の方法は前向きな移籍だと周りに思ってもらうことです。
子ども本人の意思ではなく、周りからの影響で他チームに移籍する場合には、コーチや保護者との間に確執が生まれてしまいます。
移籍する選手のお母さん・お父さんが、コーチや他の保護者に対して退団するまでに色々な気苦労されている姿を何度も見てきました。
そのためこの記事では、コーチの立場から波風を立てずに移籍する方法をお伝えしたく以下の3点を解説していきます。
- サッカー少年団のダメな移籍理由と良い移籍理由
- 上手に辞めた選手とすっきりしない状態で辞めてしまった選手の違い【実例】
- 円満に移籍するための準備
どのような方法なら前向きだと思ってもらえるのか、コーチの立場から実体験を織り交ぜてお伝えします。ぜひお読みください。
Contents
サッカー少年団を退団または移籍する主な理由
- 強いチームで大好きなサッカーがやりたい
- チームが弱くて試合に勝てないから
- コーチの指導方法が合わない
- コーチの指導レベルが低い
- クラブの方針が合わないまたはよく分からない
- 役員などの当番が面倒だから
- 親同士の付き合いが嫌だから
- 兄弟がいて毎回送迎が大変だから
- 試合の時の車出しが大変
辞めようか悩んでいるとき、これらの挙げた理由のいずれかが該当していると思います。
これらを分類すると①②③は子ども目線の理由、③④⑤⑥⑦⑧⑨は親目線の理由です。
①②③の子ども目線の理由から見ていきましょう。
「強いチームに行きたい」「試合に勝てない」「コーチが怖い」は子どもにとって重要なこと
子どもたちが移籍したいと思う最も多い理由はチームが試合に勝てないことです。
「試合に勝つ」というのは、子どもたちがサッカーを楽しむ上で非常に大切なモチベーションアップ1つです。
小学生の段階では勝敗にこだわってはいけないと少年サッカーの本やベテランコーチからは言われますが、サッカーが上手くなりたい子はどうしても「勝ち」にこだわります。
自分が子どもの頃を思い返しても勝てるチームにいることのステータスは大きかったと思います。
大切なことは子どもがただ強いチームに行きたいのではなく、もっとサッカーが上手くなりたいからより強いチームへ移籍したいと言っているかどうかです。
子どもがサッカーに対して情熱を持っているなら、周りへの説得もしやすくなります。『強いチームでサッカーがやりたい』に近いほど良い移籍ができます。
何が移籍理由なのか子どもとじっくり話し合って明確にしましょう。
続いて③④⑤⑥⑦⑧⑨は親目線の理由です。
「お茶出し」「車出し」「終わる時間がいつも遅すぎる」親目線のないコーチはストレスの源
兄弟がいる場合、チームに長い時間拘束されるのは移籍を考える理由の1つです。
「ずっと見てないといけないの?」など子どものためにも続けたいけど、親の負担がどうしても大きい場合には移籍せざるを得ない場合もあります。
そのストレスに気付けるコーチがいるのか、気軽に話せるコーチがいるか大切なポイントです。
保護者への配慮がないコーチにはストレスを感じてしまいますが、親都合による移籍は極力避けるべきです。
避けたい移籍の仕方【2つの実例】
あまり良い形で移籍ができなかった例として「移籍前から他チームの体験を言いふらす」「他チームのコーチからの勧誘」の2つをご紹介します。
いずれも少年団でよくあるケースなので、参考にしてください。
他のチームへの体験練習を言いふらしてしまうケース
ある程度サッカースキルがある子は「勝利」を求めます。勝てなくなるともう少し強いチームでやりたいという気持ちが出てくるのは仕方ないことです。
ここで注意させたいのは子どもには、他チームに行っていることや移籍を考えていることを口止めさせておくことです。
「もう辞める」「おれこのチーム弱いからあっちのチーム行く」とずっと移籍を言いふらしているような場合には、コーチや他の保護者も良い気分にはなりません。
試合に起用されなくなったり、指導方法が変わってしまったりすることもあります。
仲の良い子に言ってしまうのは、仕方ないことですがよく言って聞かせて軽はずみに言うことを止めておきましょう。
この例の場合、辞めるまでお母さんが相当苦労し最後は涙ながらに「今までありがとうございました」とお別れを言っていました。
コーチという立場もあり、あまり介入することもできず双方でわだかまりが残ってしまいました。
他チームのコーチからの勧誘(引き抜き)
何度か練習試合をするチームのコーチから試合後に「うちにこない?」と声を掛けられた子がいました。
引き抜きは海外では当たり前ですが地域の少年団のようなボランティアチームの場合には、あまり歓迎されるやり方ではありません。
コーチ陣も「仲良くやっていたと思っていたのに裏切られたような気分」「大事に育ててきた選手なのに・・・」と移籍チームに対する印象も悪化し、それ以降試合をすることがなくなりました。
公式戦などで対戦することがあっても友好的な関係ではなくなってしまい、移籍した子も移籍チームに対しても良い結果となりませんでした。
良い移籍の仕方【1つの実例】
移籍の好事例はなかなかないですが、みんなに祝福され移籍したケースをご紹介します。
だれでもこのケースになれるので、ぜひ参考にしてください。
より強いチームでサッカーが上手くなりたいステップアップの移籍
移籍については、2ヶ月ほど前からしっかりと自分の口でヘッドコーチに伝えている子でした。
そしてコーチに対しても感謝の気持ちを持っている姿勢に好感を抱いていました。
「〇〇(強いクラブチーム)に行って、サッカーをもっと上手くなりたい」と本人の意思があり、思い付きではなく何度も体験にも行って決めたという経緯もありました。
「この子は本気。今の環境よりももっとステップアップした方がよいだろう」とみんなが納得し、最後まで快く送り出されたケースで非常に良い移籍の仕方でした。
このケースのポイントは以下の5点です。
- 移籍について周りの選手には言わず、まず自分の口でコーチに話していた
- コーチや周りの選手に対するリスペクトを持っていた
- 普段の練習から意欲的に取り組んでいた
- ステップアップしたいという強い意志があった
- ご両親も協力的な方だった
日本ではドイツやスペインなどの少年サッカーとは異なり、移籍に対して抵抗感のある考え方が多いです。
安易な考えではなく、ステップアップの意識と周りへのリスペクトがあるかどうかが良い移籍につながります。
チームとの接し方を見直してみる
子どもの感情や親都合による移籍は、あまりうまくいきません。
色々な状況で苦しい状況かもしれませんが、主役である子どもがどうなりたいのかなど良い移籍になるように一呼吸おいて家族で話し合う時間を設けてみてください。
以下の記事では、J下部スクールのセレクションに合格するために親ができること、フットサルがサッカーに対してどう影響するかについてお伝えしています。
子どものサッカー上達を促す内容になっているので、ぜひあわせてお読みください。