
ベトナムを石器時代に後戻りさせてやる(P128より引用)
ベトナム戦争で米空軍のカーチス・ルメイ参謀総長が放った人の心と理性を失った悲しすぎる発言です。こんな発言が許されるはずはありません。
『池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」』を読み、各国のリーダーたちによる情報操作が戦争を引き起こし、ヒトをモノとして扱ってしまう恐ろしさを痛感しました。
同時に、本を読み終わったころには
- 社会主義の恐ろしい思想
- 独裁者が生まれてしまう原因
- 「反日」の理由
といった今まで何となく知っていたことが一気に理解に変わっていきます。そして、全くの無知な状態から自分の意見をしっかり持てるレベルにまで知識が上がります。
世界のトップたちがここまで私利私欲のために周りを巻き込んでいいのか。
Contents
『学校では教えない「社会人のための現代史」』を読むメリット
本書は以下の14のテーマで書かれています。
- 世界はなぜ2つに分かれたのか
- 社会主義の理想が「怖い国」になるまで
- 対立しても尖閣で一致するわけ
- なぜ核で「一発逆転」を狙うのか
- 日本にも飛び火?イスラエルやシリアの紛争
- 世界が核戦争寸前になった瞬間
- アメリカ最大最悪のトラウマ
- 大虐殺「ポル・ポト」という謎
- 「反日」の原点を知っておこう
- 「経済成長」の代償を支払う日
- お金が「商品」になった
- 石油を「武器」にした人々
- 「ひとつのヨーロッパ」という夢と挫折
- 世界はテロから何を学べる?
全体を通して、『権力者どうしの悲惨な争いからしっかり学ぶ今後に生かすことが責任』だと池上さんは訴えています。
色々な考え方があるということを分かっているはずなのに、自分たちに都合の悪い考え方を持つ相手を排除しようという私利私欲の考え方が戦争へと発展していってしまいます。
私たちも誰かからの情報操作により教育がされ誤った考え方のままである可能性があります。
- この本を読むとこの先どうすればいいのかを自分たちで考えていく必要があるんだと考えるキッカケを与えてもらえます。
権力者たちにより引き起こされる戦争
アメリカ(資本主義)VSソ連(社会主義)
世界を単純に2つに分けたがる。これが、米国の外交政策で時々顔をのぞかせる戦略です(P19より引用)
アメリカはソ連と”資本主義VS社会主義”の冷戦(冷たい戦争)と呼ばれるにらみ合い状態が長く続きました。「アメリカの見方でなければ敵だ」と宣言をし、力で社会主事国家をつぶそうとしたんですね。
この冷戦によりドイツは東(ソ連側)と西(アメリカ側)で2極化、ベトナムは北(ソ連側)と南(アメリカ側)で2極化と、常にアメリカVSソ連という構造で周辺の国まで巻き込み多くの人がこの争いで犠牲になっています。
優秀なリーダーたちのはずなのに、「自分と同じ考え方をしないやつは敵だ!」ってなぜそうなってしまうのか。強力な権力を持った国のトップであれば、もっと心の広い正しい判断をできる人がなるべきだと切に思います。
- アメリカ(資本主義)VSソ連(社会主義)の2強の対立により多くの戦争を引き起こした
独裁者が生まれてしまう怖すぎる社会主義思想
独裁者が生まれる要素は「代行主義」と「無謬神話」です。(P40より引用)
代行主義は、上部が下部を代行すること。無謬神話とは、理論や判断に間違えはないという思い込み。この2つの要素が独裁者を生み出してしまうと池上さんは述べています。
そして、ソ連は世界初の社会主義国家。当初は、資本主義のような恐慌により労働者が悲惨な生活を強いられることのない国の管理による理想の国家を目指したはずでした。
1つの例として、8つ目のテーマとして書かれているカンボジアの独裁者ポル・ポトは超極悪人です。知識人を見境なく一掃してしまったんです。「頭の良い奴はいらない。おれの言うことだけ何も考えずに動く人間だけいればいい」という恐ろしすぎる思想です。
読み進めているだけで本当に胸が痛くなります。関係のない夢を持った多くの子どもや若者たちの多くがたった一人の身勝手な考えで命を落としてしまったんです。許せることではないですよね。
- 独裁者は、「代行主義」と「無謬神話」により生まれてしまう
「反日」も洗脳だった!?
愛国教育は結果的に「反日教育」になったのです(P171より引用)
反日という言葉はよく聞きますよね。
しかし、反日も洗脳によって操作されていたと知り唖然としました。中国共産党の素晴らしさを伝えるために、日本という敵を作り対比させて愛国教育を行う必要があったと書かれています。
おそらく、裏側に日中戦争や親日的言動は罰せられてしまうなど根深い問題が隠れています。そういった歴史も知った上で、反日に対して理解しなければならないと感じさせられます。
- 反日は、戦争によって引き起こされたものだけではなかった
まとめ
今まで学んできたことは、嘘だったかもしれないと疑って自分から知っていくことの重要性を知るキッカケになる本です。
そして、世界のリーダーはもっと必要なスキルを持っていなければならないのではないか?世界がもっと仲良く平和になされるようにするにはどうすればいいのか?
そんな問題に対してどうしていけばいいのか考えていかないといけませんね。